2012年4月29日日曜日

市販のピアノ教則本について

市販のピアノ教則本について

当方30代の大人です。

楽器店などでピアノ教則本やソルフェージュ本が売っていて、何巻もあります。

さらには、「幼児のための・・・」とか、いろんな種類があります。

これらを地道にやって行けば、独学でもピアノは上達しますか?

小さい頃からやっている人のように(速くても遅くても)テンポよく正確に指が動くようになりますか?

その他に、習熟度に合わせて必要な教材や練習曲集などありますか?



※上達とは・・・「楽譜を見て弾けるようになること。曲は古典派、バロックあたりの楽曲で、代表をあげるとすると、バッハの「フランス組曲」、モーツァルト・ベートーベンの「ピアノソナタ」などが弾けるようになること」、ぐらいの意味あいでお願いします。







私は趣味でピアノとクラギを弾いている工業大学生、ガリレオと申します。



1.ソルフェージュについて

大人になってからソルフェージュを学んでも初見で弾けるくらいのレベルにはなりません。リズム感は身に付きますが、絶対音感は10歳未満からピアノやソルフェージュをやっていないと身に付きません。

<対処法>

・教本と一緒にCDも揃える。

・普段からピアノ曲を聴く習慣をつける。

たくさんの曲を聴いて覚えることで、初めて弾く曲に対する耐性がつきます。



2.教本について

2-1 ピアノ教本の4本柱

ピアノ教本は定番があるので、まずはその定番の教本に関する基本的な知識をつけてください。なお、以下の教本・曲集は国内では全音版がよく使用されています。

①ハノン…指の運動性を高め、より正確な演奏を目指す。毎日の練習の一番初めに演奏する、いわば準備運動のような存 在。(リトル)ピシュナで代用可。

②ツェルニー…ピアノ演奏に必要不可欠なテクニックを習得する。100番、30番、40番、50番、60番の順に学習するのが 一般的。100番は50番程度まで進んだら30番へ移行するが、近年では100番を扱わない教室も。50番、6 0番はクラマー=ビューローで代用可。

③バッハ…耳を鍛える。読譜力を高める。対位法を習得する。インベンション→シンフォニア→平均律が定番だが、平均律の前 にフランス組曲を挟む教室もある。

④練習曲集…ハノンやツェルニーで学んだ技術を実際の曲に応用する。表現力を養う。各時代の音楽に触れ、感性を磨く。狭 義にはブルグミュラー、ソナチネアルバム、ソナタアルバムなどの教材を指すが、広義には①~③に該当しない各作 曲家の曲集を指す。ソナチネアルバム、ソナタアルバムは全曲やる必要はなく、抜粋で構わない。

2-2 学習の流れ(私の場合)

バイエル、ツェルニー100番、ハノン



ツェルニー30番、ブルグミュラー、ソナチネアルバム、ハノン



ツェルニー40番、ソナタアルバム、インベンション、ハノン



ツェルニー50番、シンフォニア、ハノン



ショパン(ノクターン集、ワルツ集)、平均律クラヴィーア、ハノン



教本や曲集の知識を頭に入れてこのような流れ図をぜひ書いてみてください。4段目(中級後半程度かな?)までは誰でもそんなに変わらないと思います。5段目以降は上級者になったらどんな音楽を追求したいかによって自分で教本・曲集を選択してください。私はモーツァルトやショパン、ラヴェル、アルベニスなどを弾きたいので、それに見合った幅広い曲集選択をしたいと思います。



3.コメント

ピアノを始めたばかりの時期(流れ図の1段目)はピアノに慣れるのが目的なので、幼児用の教本でも何でもいいです。昔はバイエルしかなかったけど今はバイエルのような教材がたくさんあるので好きに選んで全然OKです。

独学では間違った奏法を覚えて腕を痛めてしまうことがよくあるみたいです。ですから、自分が演奏している姿勢を他人に見てもらうとか、鏡で自分の演奏フォームを確認するなど常日頃から自分の演奏フォームに気を付けてください。あとは教本・曲集とCDをしっかり揃えて、向上心を持って毎日練習し続ければピアノは独学でも必ず上達します。

長々と書いてしまい、申し訳ありません。ピアノ頑張ってください。








幼稚園のときにヤマハ音楽教室でオルガンを習い、家にはピアノがありましたがその後正式に勉強はせず音符も読めなかったのですが高校時代にバッハが好きになり楽譜も読め、フランス組曲やパルティータ、インベンションとシンフォニアなども勉強しました。インベンションは全曲弾けるようになりましたが、フランス組曲などは自分が「弾きたい」と思う曲だけです。平均律は難しすぎて断念。

高校時代に音大へ進みたいと思い、学校の芸術の時間に教えにきていた先生に相談すると「今からでは遅すぎる」といわれて趣味でやることに。高校から始めても人間の手はすでに柔軟性を失いはじめる時期なので、今でもトリルなど装飾音をきれいには弾けません。



ただ、あなたが趣味として弾きたいのであれば、まずはインベンション、次にシンフォニアといった順序で楽譜を正確に読む練習をしてください。バッハの音楽は対位法的でインベンションのように単純な楽曲でも同じ動機やテーマが左手と右手とで交互に出てきて同じフレージング、トリルなどで弾けないとだめです。特にバッハのばあい左手も右手と同じくらい動かすことを容赦なく求めてきますから。左手は単なる伴奏役ではないのです。卑近な例としてあげれば、インベンションの2番ハ短調や5番変ホ長調は右手と同じパッセージが左手に出てきたときには同じトリルやモルデントを(左手の指で)弾けなくてはならない。4番ニ短調や7番ホ短調では長大な左手のトリルをこなす必要がある、などです。こう書くと身構えてしまうかも知れませんが、より親しみやすく楽しい楽曲として、スタートはト長調のメヌエット(ラヴァーズ・コンチェルトとして有名な)あたりから始めてみてはいかがでしょうか。

それと練習曲については、自分の体験から、そしてあなたの年齢から申し上げれば、無味乾燥なツェルニーなどに使う時間はもったいないと思うので、練習の時には最初にハノンを弾いてください。1日1曲でもいいです。ハノンを弾いていくことで両手のバランス良い動きが手に入りますし、なにはともあれ弾きたい曲の実践にこそ時間を使うべきです。



そしてバッハは、慣れてきたら教則本ではなくぜひ原典版を使用してみてください。バッハが書いた楽譜どおりの、表情記号やテンポの指示もないような原典版を活用すれば、自分なりの解釈が生まれてきますし、もともとはチェンバロ、クラヴィコードのために書かれた彼のクラヴィーア音楽をいかにビアノで弾くか、というのも、なかなかおもしろいですよ。

もちろん楽譜だけではなくて、プロの音楽家の演奏をCDで聴いたり、場合によっては一緒に弾いてみるのも大いに結構です。バッハの演奏については、チェンバロになりますが、カール・リヒターの演奏が大変参考になります。イタリア協奏曲などではトゥッティとソロの部分で鍵盤替えを行ない音色を変えています。ピアノでならタッチやフレージングの変化やUCの導入で応用したりもできます(笑)。



長々と失礼。頑張ってください。

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