オーケストラの作曲で、改訂版とかある人とない人がいますが。
交響曲なんかでブルックナーなんかは改訂版などがありますが、ベートーベンのそれは聞いたことがありません。そこで質問ですがたとえばベートーベンですが、(質問1)作曲(は主にピアノでするんですよね)して、オーケストレーション(っていうんですかね)は頭の中でやったのでしょうか、それとも実際にオーケストラを用いておと出ししながら修正したんでしょうか? その後、初演となるわけですが、(質問2)もし頭の中だけとしたらオーケストレーションの変更をしたいとか、音符の一部を変えたいといった気持ちが起きなかったのでしょうか?頭の中だけって回答だったら怖いんですけど・・・。
miles_davis2000さん、おはようございます。
(質問1)
そんなことはありませんよ。彼は、筆談の為のノートも持ち歩いていたし、作曲用のスケッチブックも持ち歩いていました。いつ、どんな旋律がひらめいても、すぐに書きとめて記録する為です。
彼は、ほとんど、音が聴こえなかった。確かに、会話は不可能でしたが、ピアノの音はわずかに聴こえていました。
スケッチブックに書かれたメモのもとに、オーケストレーションをするわけですが、でも、ピアノはほとんど使いませんでした。彼は、ピアノを使用しなくても、(多くの作曲家がそうするように)オーケストラのスコアをどんどんと書き進めました。
別に耳が不自由だから、そんなことが出来たのではなく、作曲家は、和性学の知識や、ソルフェージュ能力なんてもっていて当たり前なので、とくにピアノで作曲する必要はありませんでした。
ただ、時々、和音や旋律の確認にピアノを使用しただけです。
逆にいうと、特定の楽器に頼って作曲をすると、その楽器の特性に合った曲を作曲してしまうと言う害も生じます。
ただ、ピアノソナタを作曲するんだったら、ピアノを使用して作曲してもいいと思いますが、ベートーベンはピアノソナタを作曲する時だって、ピアノに頼りきって作曲なんかしてません。ある程度、作曲作業が進んだら、実際にピアノで確認していました。「あ、こんな高い音、このピアノじゃ出せなかった、」なんて思いながら。
>実際にオーケストラを用いておと出ししながら修正したんでしょうか
初演してみて、「ここは、修正したほうがいい。」と思った箇所は修正しました。
でも、晩年の彼にはオーケストラの音は聴こえなかったので、再演に備える場合も、「音を聞いて修正した。」そんなことはしませんでした。
(質問2)
ベートーベンの場合は、まさにそうです。彼は、頭のなかで考え、頭の中で思考錯誤し、時には、スケッチブックの中で思考錯誤し、時には完成したフルスコアを見て、音の変更修正をしました。幼少のときから、厳しい音楽教育を受けた彼ですから、そんなこと、普通におこなってました。別に怖くはないですよ。先ほど書いたように、聴音、ソルフェージュ、和声学、オーケストレーションのやり方がわかっているなら出来ます。
ただ、ベートーヴェンはそんな機械的な作業が出来るのはあたりまえで、そんなこと以上に、自分の感性、外の世界から自分が感じるものを楽譜にする能力に天才的なものを持っていました。
ただ、彼の場合、本当に耳が聞こえなかったので、、、演奏不可能なパッセージを書くことも、よくありました。当時のオーケストラは、プロ、アマチュアの混合オケでしたから、メンバーからは、「こんなの演奏不可能だ。」と苦情のあるときもありました。
演奏技術の向上した現在でも、何箇所が非常に演奏が困難な箇所がある曲があります。(例、Sym.No,6やNo.9)
現在のアマチュアオーケストラがこんな場所を弾く時、新人さんが「こんなの難しくて弾けません。」と言うと、先輩が「左手を適当に動かして、弓で適当な音を弾いていればいいんだよ。」なんて言っている会話がよくあります。
パッセージが速すぎて、グリッサンドをやっているのと、さして変わらない、なんていう、無駄な努力になってしまうこともあります。
これは、まさに、楽器や、オケの実際の音を聞かずに、想像(創造)だけで、現実のオーケストレーションをまったく無視してしまい作曲してしまったと言う、ベートーヴェンならではの話です。
最近は、ベートーヴェンでも、改定版と称した楽譜が販売されていますが、ブルックナーの改訂版のように、「誰誰版」みたいな大げさな改定がなされているわけではありません。せいぜい、楽譜の出版社名で「○○」版として発売されている程度です。
理由は、ベートーヴェンの音楽は、オーケストレーション的には、今1つであっても、彼自身の手によって、一応音楽的に完成(完結)されているからです。
彼が校正、修正を加えたのは、主に、出版譜に対してです。自筆譜が読みにくく、出版譜はプリントミスだらけでした。
もし、彼の弟9交響曲が一部未完成のまま、彼が死んでしまったら、モーツアルトのレクイエム同様、たくさんの版、あるいは改定版が存在したでしょう。
ちなみに、ベートーベンのスケッチをもとに、彼の交響曲弟10番1楽章を楽譜として再現したベートーベンの研究者の方がいましたが、、、CD買ったけど、、、今1つでした。
いくらなんでも、スケッチの断片だけから、他人がベートーヴェンを再現するのは、無理です。
ベートーヴェンはそれらのスケッチをもとに、さらに、頭の中で試行錯誤を重ね、時にはピアノを使って和声などを確認しながら、オーケストレーションを進め、曲を完成させ、時には、考えたあげく、それを、不出来として廃棄し、また、新たに作曲しなおす、なんてことをしていたのですから。
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